担当編集者浅見より
「この本は、ニキさんのサクセス・ストーリーだなと思います。私がそんな風に思っているって知ったら、ニキさんは意外に思うかもしれませんけどね。
『俺ルール!』や『自閉っ子におけるモンダイな想像力』で明らかになった自閉脳の特性を持ちながら、ニキさんがどうやって世の中に対する誤解を解いていったのか、ひとつひとつ具体的に書いてくれています。その道のりはまさに『えっちらおっちら』です。大変だったろうな~と思ってしまいます。
でも時間はたくさんかかっても、こうやって自閉っ子にありがちな誤解を解いていったからこそ、ニキさんは社会人になれたんだなあと感心します。
とはいえすべての自閉っ子が、ニキさんみたいに自力でこの世の謎を解くのはすごく手間がかかる! 後輩自閉っ子の道のりを少しでもラクにするために、ニキさんの体験を療育や特別支援教育に活かしてもらえたらいいなあという思いをこめて、この本を出版します」
自閉っ子、
えっちら おっちら 世を渡る
ニキ・リンコ 著
1,600円+税
――目次――
●品川、北品川、新馬場
謎がとけていく
●「自分にはわからない世界」との和解
自閉っ子って奥が深い
●大人になってよかった
これって成長?
●舞台裏に回ってみよう
世の中は分業
●自分も使う強調表現
自閉っ子流ことばの学習法
●お金は想像を簡略化してくれる
お金のことをきちんと教えてくれ
●自分を基準にしても、人のことはなかなかわからない
定型発達者には自閉っ子の気持ちがわからない
●無害なまちがいは楽しくリサイクル
よぶんな手間がかかる自閉脳
●苦手な状況そのものを作らない
社会はなまはげじゃないけど、プロの道はそれなりに厳しい